写真家 黒岩 正和  | Photographer Kuroiwa Masakazu

島魂~TOUKON~

太鼓打ちを止めようと、青年に挑む長老の表情は晴れやかだ

祭の宵宮に行われる幟練りは、怪我人続出の激しい行事

五島の盆踊り 衣装や鳴物が特徴的な大陸文化を感じる踊りだ

島内のメインストリートを、若者達が担いだ神輿が一気に走り抜ける

いきり立つ男達に、海水を撒いて清める

この至福の表情が見たくて、祭の撮影をしていると言っても過言ではない

荒くれ者が多い海の男の中でも、彼の強さは群を抜いていた

紙吹雪が舞い散る中、祭は佳境を迎える

商売の神様に扮したおばあちゃん

だんじりが海に飛び込む姿は、とても迫力がある

娘を担ぎ上げる父親 家族の繋がりを感じる習慣だ

御神酒を飲み過ぎ、千鳥足の島人は仲間に抱えられながら、御旅所に向かう

 穏やかな瀬戸の海を、島人に担がれた神輿が行く

流血を厭わず、再び祭の輪の中に飛び込んで行った

祭を仕切ってきた世話人達の握手が、今年の成功を物語っている

島魂~TOUKON~

現在、多くの島が過疎に悩まされ、島は元気がない・・・
そんな印象が一瞬で吹き飛ぶ日、それが祭の一日だ。

一升瓶を呷った男達が、一心不乱に揉み合い、気勢を上げる。
女達は、そんな男達を温かく見守り、裏方として支える。
そして皆、満たされた表情を見せる。
そんな凝縮された時間が、祭の時間だ。

島の祭には、酔っ払って絡んでくる小学生がいた。
どつき合いの中心で、二、三人引き摺り回す島の駐在さんがいた。
早朝、神輿が通る道に塩を撒きながら行く少女達の姿があった。
島に入るのに、渡船場にて升酒を空けてから入らないといけなかった。
それは島人達に脈々と受け継がれてきた大切な魂だと思う。

祭が終われば、また来年の祭の準備に入る。
旅を終えた旅人が、また次の旅の計画を立てるように、その時間は至福に満ちたモノになっているようである。

祭は島の魂だ。

島魂~TOUKON~