写真家 黒岩 正和  | Photographer Kuroiwa Masakazu

路上のその先

得意気にバク宙を披露する少年 (ラオス)

今夜の食卓に並ぶ田螺をたくさん採り、家路を急ぐ (ラオス)

夕暮れのメコン河へ子供達が次々と飛び込む (ベトナム)

薪を作るのは子供達の大切な仕事だ (ベトナム)

幼子の子守をする少女の瞳はどこか虚ろ (ラオス)

夕陽を浴びながら、竹橋を渡るタイ族の女性 (中国)

早朝、渡し船に乗り、仕事へと向かう人々 (中国)

早朝の托鉢で祈りを捧げる少女 (ラオス)

カメラを向けると、三者三様の表情を見せる仲良し三人組 (ラオス)

数少ない娯楽の一つ、ビリヤードに興ずる (カンボジア)

一日の仕事を終えた人々を家路に運ぶ(中国)

メコン河は、子供達にとっては格好の遊び場 (カンボジア)

人々の暮らしは、メコン河と共にある(中国)

男子の視線の先にあるのは・・・(ベトナム)

一日の終わりを告げる落日の時が訪れる(ミャンマー)

路上のその先

初めて異国の地を旅したのは18歳。
若かった僕は、お金を持たず、野宿で東南アジアを旅した。
その時、目指した場所が「メコン河」だった。

結局、数ヶ月旅したが、同性愛者に拾われたり、事故に遭ったり、警察に拘束されたり、ストリートチルドレンにしばかれたりして、メコン河には辿り着けなかった。
その時から、僕にとってメコン河は、憧れの場所となった。
路上に寝そべり、不安な夜を明かしながら目指した場所に、それから数年後、初めて訪れた。

そこには、「東南アジアの大河」・「母なる河」と呼ばれ敬愛されるメコン河があった。
その時の感動は、今も忘れることができない。
そして、メコン流域に暮らす人々の素朴さに惹かれ、その暮らしぶりを撮影し始めた。

中国・ミャンマー・タイ・ラオス・カンボジア・ベトナムと、6ヶ国を流れる大河は、その場所に暮らす人々の生活を支える母なる河だった。
アシスタントを辞め、フリーランスとして独立する時、仲間達と事務所を立ち上げた時、人生の大切な節目に、僕はメコンを旅する。
初めてメコン河を見た感動を忘れないために・・・そしてメコン河を目指したあの旅を忘れないように・・・。

路上のその先